大人になるとなかなか自分事で涙を流す機会は少ないかもしれません。
しかし、ワールドベースボールクラシックやマラソンといったスポーツを見て感動したり、ニュースやドラマ、映画を見て心が震え、号泣してしまうこともありますね。このような自分事でないのに涙がでるのは他者への共感がベースになっています。
この共感に関する脳の領域は内側前頭前野にあると言われています。
心ゆさぶられる体験は脳の共感に関する領域が激しく興奮し、その結果として副交感神経の活動が亢進し涙を溢れさせます。
一般的にストレスがかかると交感神経(戦っている状態)が優位となります。そして、休養や睡眠などリラックスすることで副交感神経(リラックスの状態)優位に移行し、ストレスが緩和するのを待つことが多いのではないでしょうか。
しかし、共感で涙を流すのはストレス状態にある交感神経優位の状態を一気に副交感神経優位の状態にしてストレス緩和できると言われています。涙を流したあとはスッキリする、そんな経験がある人もいるかもしれませんね。
ネイテイブアメリカンのコピ族にはこんな格言があります。
「泣くことを恐れるな、涙は心の痛みを流し去ってくれるから」
涙は確かに心の痛みを癒す力を持っています。感情を解放することで心が軽くるかもしれません。
ストレスが溜まっている時、映画やスポーツを見てが号泣!「涙活」⁈それもいいかもしれません。
参考文献:有田秀穂. (2007). 涙とストレス緩和. 日本薬理学雑誌, 129(2), 99-103.