社会でも、日常でも問題解決や答えを求められ、解決に向けて頑張っていることが多いと思います。
できるだけ早く問題を解決する、答えを出すことに注力する。
これらの能力はポジティブ・ケイパリビティと呼ばれています。
無論、成果が見えやすい「問題解決能力」が高いことは高く評価されていると思います。
しかし、時代はVUCA、予測が難しく変化が激しい社会になっていて、
目の前の状況を解決できないこと、答えがだせないことも多々ありますよね。
(VUCA=変化し(Volatility)不確実で(Uncertain)複雑(Complexity)、さらに曖昧=両義性がある(Ambiguity)現代の特徴を言い表す言葉)
また、看護の現場では死と向き合ったり、不安を抱き続けたり・・・
答えを出そうとしても出せないことに寄り添っていることの方が多いかもしれません。
詩人キーツは自身の病弱な療養生活で「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」といったことを手紙に書いています。これがネガティブ・ケイパリビティです。
看護師はそんな患者さんや家族に寄り添い、その曖昧な状況に立っています。
また、新型コロナ禍でも得体のしれないウイルスが解明されるのを待ち、目の前のケアに勤しんでいたと思います。
実にネガティブ・ケイパリビティが高い職業だと思います。
「答えが出せない・・」と苦しい時もありますが、
その曖昧で不確かな状況に耐えるのも能力です。
時間がたてば、状況が変わったり物事のとらえ方が変化したりします。
じっと、「宙ぶらりん」な状態をすごすのは決して無駄でも停滞しているわけでもないです。
このVUCAの時代だからこそ、「不確かさに身をおく」のは大切な能力です。看護師にはそんな能力あるんだと思います。