先日「悩める中堅看護師」の研修を行ってきました。
「中堅看護師」といってもその幅は大きく、その内容も深さや数も様々です。
私がカウンセリングをするなかには、キャリアの悩みが実に多いです。
特に中堅期以降では、
「たくさんの経験を積んだが、看護実践ができている気がしない」
「自分の役割が果たせる気がしない」
「このままでいいのか・・・」と、退職、進学、職場の異動を考えている。
「定年まであと数年だからこのままでいいと思うけど、なんとなくもやもやする」
もちろん、人間関係や職務環境といった環境の悩みも複雑に絡みあったりしています。
心理学者のエリクソンは、40代~の時期について、
次世代に何を残すか意識した生き方ができていないと、自分が存在する意味が分からなくなってしまうと説明しています。
この世代では、それまでに職場や家庭などで上の世代から学んだことを実践しています。
そして、そのことを活かして後輩や下の世代に、伝えていっています。
看護の場合、「後輩指導」といったことは日常的に行っていますね。
その多くは、「自立して看護する」ことを目指しているのではないでしょうか。
ところが、自分は次の世代に何を残したか?残せるのか?と自問したとき、明確に答えを出せないことも多いのではないでしょうか。
こんな看護、こんな看護場面、シーソーのようだけど程よくワークライフバランスを取ることが私らしかったなど大事にしてきた価値観があるのではないでしょうか。
立ち止まって考え、次世代に伝えたいこと、残したいことを考えてみましょう。
そして、これからのの自分の変化(体力、気力、経済力、家族や大事な人との関係)と照らし合わせてみる。
若いころのように「こうなりたい!」という姿が明確でなくとも、自分が歩む道がなんとなく見えてくるかもしれません。
こういったキャリアの悩みは、一人で考えるより他者との対話の方が自分の「価値観」に気づきやすいと思います。
違いがあるから、自分が分かる。そんな時間を持つこともいいのではないでしょうか。